スピッツ大好き、月波です。
2019年10月9日、ついに!
16thアルバム『見っけ』発売!!
前作から早3年……今回も、全曲レビュー行きます!!
※ネタバレ注意!お手元の『見っけ』を楽しんでから、ご覧ください!
お品書き
レトロなジャケット写真は、タイトルにぴったり!
全6形態で発売された16thアルバム『見っけ』。
月波はもちろん、公式ファンクラブの会員のみ購入できる【デラックスエディション Spitzbergen会員限定盤】を選びました!
ジャケット写真は、小さな生き物(!?)に女の子が驚くワンシーン。まさに「見っけ」の瞬間で、タイトルにぴったりですね。
そしてレトロな図書館の雰囲気もスピッツのイメージに合っていて、とても気に入りました。
収録曲も、写真に積まれた本のように、壮大な物語が詰まったものが多かった気がします。
明るい幕開け、タイアップ曲がつぎつぎ登場!
見っけ
ワクワクする軽快なメロディが、アルバムの幕開けにぴったり!
前作『醒めない』に続き、アルバムと同タイトルの楽曲がトップを飾りました。
NTT東日本 CM「あなたの夢は、みんなの夢」篇のタイアップ曲でもあります。
NTT東日本といえば、前作の「みなと」ともタイアップしていました。
アルバムタイトルということで、このアルバムの代表曲ともいえる「見っけ」とタイアップするとはさすがです。
全体的な曲調も明るくさわやかな王道スピッツ。
そしてヴォーカル草野さんお得意の高音が心地よく響きます。
音程のアップダウンが激しいので、カラオケで歌うと難しいです……。
優しいあの子
本アルバム唯一のシングル曲。言わずと知れた、連続ドラマ小説「なつぞら」主題歌です。
連続ドラマ小説の影響は相当で、今年スピッツの名前を聞くときは大抵「朝ドラ主題歌を歌う~」がついていました。
そして曲も、王道の王道の王道のスピッツのシングル曲!(笑)
さわやかなメロディにのびやかな歌声、雄大な北海道を舞台にした朝ドラにぴったりです。
王道すぎてコアなファンにはつまらない……と思いきや、やはり一番有名な曲なので、ついつい口ずさんでしまいますw
朝ドラということで、主人公が苦労したり幸せになったり、紆余曲折あるんですよね。それが歌詞に詰め込まれているから、のびのびした曲でも印象に残るのかなと思ったり。
ちなみに歌詞の「コタン」は、アイヌ語で「集落、部落」を意味するそうです。(参考:Wikipedia)
ありがとさん
「優しいあの子」とともにMVが収録された曲。
MV作られるくらいだから、明るい歌とか前向きな曲かと思いきや、ガチの失恋ソングでびっくりしました。
切なすぎる歌詞が、ずんずん力強いメロディに乗って響き、聴く者に独特の印象を残します。そこに加わる「ありがとさん」の一言。ひらがなの字面だけ見るとユルいのだけど、そこに込められた切なさはとんでもない威力があります。
アコースティックピアノとギターのハーモニーも素敵です。ピアノの弾き語り譜面が出てほしい(笑)
本のページをめくるように……スピッツの挑戦を楽しむ
タイアップ曲もシングル曲もMVのある曲もここでおしまい。
本作では、そういった曲をさっさと終わらせて、純粋に音楽だけで勝負するトラックがどんどん登場します。
ラジオデイズ
令和の時代にあえて「ラジオ」の曲を突っ込むスピッツ、大好きです!w
そしてラジオをここまでロックにできるのも、スピッツしかいない!
ガンガンのロックに乗せて、ラジオ愛を歌っています。
間奏にラジオ番組のワンシーンを入れるのも遊びゴコロがあって楽しい♪
すぐにでもラジオを聴きたくなる曲です。
そう、「SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記」もあることだし……!
花と虫
虫好き草野さんの虫シリーズ(笑)。本作でも登場です。
でも、「グラスホッパー」や「ホタル」など具体的な種ではなく、単に「虫」とタイトルに付くのは珍しい。「夢追い虫」くらいでしょうか……。
ちなみに「花」の付いた曲はたくさんあります♪
「花泥棒」「砂漠の花」「花の写真」などなど!
そんなスピッツの頻出ワードを2つも備えた、短いけれど贅沢なタイトル「花と虫」。
花を離れた(多分)小さな虫さんの、壮大な冒険物語が展開されます。それはファンタジーなメロディにぴったり、でも、なかなか切ない物語。
もしかして、ジャケットや歌詞カードのあちこちに登場する、小さな生き物の物語かもしれません。
ラジオにも出会っているみたいです。
ブービー
スピッツならでは!?の「謎のタイトルシリーズ」(笑)。
ブービーなのを面白おかしく笑い飛ばすのかと思いきや、静かでモノローグのような曲。丁寧に歌われる韻を踏んだ歌詞が、切ないメロディに乗って心に刺さります。
それをさらに盛り立てる、アコースティックピアノの間奏がまた美しい。
このアルバムで一番短いけれども、しっかり印象に残る曲です。
快速
前奏や後奏の女声ハーモニーが印象的。スピッツの挑戦を感じます。
謎なタイトルシリーズ(笑)のなかで、一番タイトルと合っていると個人的に思ったのがこの曲でした。
「流線型のあいつより早く」ってことは、新幹線を抜こうとがんばる快速電車かな?なんだかマイペースなスピッツをイメージしますw
勢いある曲だけど、草野さんの癒しボイスで疲れません。
YM71D
はい、出ました。謎なタイトルの究極w
「YM=やる気まんまん」とか、はたまた某発動機メーカーの機種名か……発売前から様々な解釈を目にしました。
でも、実際の曲を聴くと分かるので、『見っけ』を聴かずしてここまで読んでいる方は、ぜひ聴いてみてください(笑)
(ちなみに、最初は歌詞を見ないで聴く月波は、気付くまでに時間がかかりました。爆)
曲は謎なタイトルとマッチする愉快なメロディ。
歌詞も意味不明で(笑)、深く考えちゃアカンやつです。
スピッツファンなら大体想像つくと思いますがw
ある意味、スピッツのアルバム曲の地を行く曲です。
はぐれ狼
今度は獣系の曲が登場しました。
世間一般には良い子と思われがちなスピッツですが(笑)、結構ヤロウの気持ちが歌詞にこもっていたりするんですよね。
『夢じゃない』の「汚(けが)れない獣には戻れない世界でも」とか、シングル曲にもさらっと入れてきてます。
で、この曲は、タイトルのとおり「群れからはぐれてる狼」の歌。その孤独や厳しさを歌っているのですが、明るく弾むメロディで、ファンタジーな雰囲気に仕上がっています。
マイペースを貫くスピッツとも重なります。
まがった僕のしっぽ
収録曲のなかで、最も長いトラック。その分、様々な仕掛けが登場します。
それは前奏から。「はぐれ狼」から一転して子ヤギさんのしっぽかな?と思っていたら、力強いフルートの演奏にびっくり。
歌が始まると壮大な冒険物語が頭に浮かびます。
そして途中で曲調が大胆にチェンジ!あまりの変化に、「え、もう次の曲に行った?」とトラックの表示を確認したほどでした。
またひとつ、スピッツの新たな挑戦を見た気がします。
これはライヴでやったらどうなるんだろう……すごく楽しそう!
曲調の変化によって、物語の場面も変わり、まるで一冊の絵本を読んでいるようでした。一曲で二場面楽しめる、お得な曲ともいえます。
ちなみに、曲中で拍子をコロコロ変えるのは、6thアルバム『ハチミツ』の看板曲「ハチミツ」、9thアルバム『フェイクファー』より「ただ春を待つ」など、スピッツの得意技(&カヴァーする人泣かせw)です。
最後はさわやかな王道スピッツ♪
初夏の日
タイトルにぴったりのキラキラしたメロディに癒しボイス。スピッツ王道のさわやかさに戻り、前曲から一転、ほっとします(笑)。
10月発売のアルバムなのは置いといてw
でもこれも、切ない恋物語なのですよね……。メロディは明るいのに、どこか憂いをおびた声でさらっと歌うのは、これもスピッツの王道テクといえます。
そんななか「京都」の地名は、なかなかインパクトがありました(笑)。「多摩川」はじめ、歌詞に地名が出てくる曲も多いのですが、定番の旅行先(?)京都を入れてくるのが意外で……でもまぁ、夢なんですけどw
ヤマブキ
Spitzbergen会員限定イベント「GO!スカ」でお披露目された新曲が、最後の最後に登場しました。
イベントでは撮影OKタイムに演奏され、一番のベストショットが撮れていたのでした。
その写真を眺めながら聴くのが待ち遠しかったのです。
曲はスピッツ王道のさわやかさ!
タイトルを見たときは「色の曲シリーズ」かなと思いましたが、植物の「ヤマブキ(山吹)」を調べてみると、こちらの方がイメージとぴったりでした。
そして明るく弾むメロディに乗せて、力強く前向きな歌詞が歌われるんですね。
でも、夜の奥の小さな光をヤマブキの花にたとえたり、「田植えの季節」というのどかなワードが出てきたり、応援ソングなのにどこかユルいのがスピッツらしい♪
「これからもまだまだ続けていく」という勢いが感じられる曲で、アルバムを締めくくるにぴったりだと思いました。
ブランケット
【通常盤】以外に収録された「Bonus Track」。
そういえば前作『醒めない』にはありませんでした。
前曲から一転、シリアスなメロディにシビアな歌詞……「ブランケット」というタイトルとは裏腹に寒ささえ感じます。
よくこれをボーナストラックにしたなぁと。
アルバムは「ヤマブキ」で一区切りと考えてよいでしょう。
でもこの感じも、確かにスピッツ。
なかなかクセのある曲だからこそ、アルバムの流れには入らず、ましてやシングルにもできない。ボーナストラックでしか聴けない曲なんだと思いました。
いやー、スピッツにしかできないわー!
最後の最後に、ますますディープなスピッツ沼にハマっていくのを感じたのでした。
おわりに
スピッツの16thアルバム『見っけ』、あちこちで書いたように、物語が浮かぶ曲が多かったです。
まさにジャケット写真にあるような本を、一冊一冊読んでいる感覚。
読書しながら物語の世界に入り込む、童心を思い出しました。
大人になってから、読書するのもビジネス書などになってしまうからなぁ…子どもへの読み聞かせのとき、もっとストーリーを楽しんでみようかな……
皆さまは『見っけ』をどう聴きましたか?
ぜひ、お気に入りのストーリーを見っけてみてくださいね!